知恵袋に以下のような質問がありました。
さすまたって意味あるんですか?
さすまた(刺股・刺又)とは「長さ2~3mほどの棒に開けたU字型の金具がついた護身具」のことです。
さすまたの歴史は古く、室町時代に使用された武器から派生して、江戸時代には火事があったときは火消しに使われたことでも知られています。
現代のさすまたは個人宅ではなく、学校・施設・店舗に広く普及されていて侵入者から守る防犯器具となっています。
しかし、器具の特性上なのか「さすまたは意味ないのでは?」という意見が多いようです。
歴史あるさすまたが、なぜ意味ないと言われているのかを調査してみました。
調査結果を最初に回答します。
さすまたは意味がありません。
無意味な理由を以下の項目で詳しく解説します。
さすまたが意味ない理由①金属バットを振り回しほうが安いうえに防犯になりそう
さすまたの金額ですが、かなりのピンきりです。
安いもので4,000円で、高いものは10万円になります。
その点、金属バットは2,000円から購入できるので安価です。
しかも、さすまたに比べて金属バットのほうが驚異に見えるし頼もしそうです。
さらに防犯する必要がないときは野球という本来のスポーツに打ち込むことができます。
その点、さすまたは防犯用具としてでしか役に立たないので意味がないと言えます。
さすまたが意味ない理由②さすまたを取りに行ってる暇があるのか疑問
そもそもですが、さすまたの設置場所から遠い場所に侵入されたらどうするのでしょうか。
「せっかく侵入されたんだ、せっかくだから伝家の宝刀であるさすまたを使わなければ」なんていう思考になりますか?
まず、そのような思考にはならないでしょう。
対処するとしたら「大声をあげたり」や「近くに武器になりそうなものを探して手に取る」といった行動をするはずです。
さすまたは緊急時の防犯道具なので毎日装備できません。
万が一のときに直ぐに手元に用意できないといった観点から、さすまたは無意味であると言わざるを得ません。
さすまたが意味ない理由③侵入者の背後に壁がないと役に立たない
さすまたは先端が開けたU字型となっているので、相手に突き立てて背後の壁に押し付けることで拘束します。
もし不審者が校内や施設に侵入したとしても開けた場所に出られては拘束できません。
仮に不審者が小学校に侵入してグラウンドまで出たら、それは完全に追いかけっこにしか見えませんね。
このように、背後に壁があるときに突き立てて拘束するという使用条件が厳しいさすまたは無意味であると言えます。
さすまたが意味ない理由④リーチが長いので狭い場所では邪魔でしかない
侵入者をさすまたで追い詰めていくとしてます。
しかし、侵入者は知能犯であったために狭い場所へ逆に誘導されてさすまたを使用しにくい状況になる可能性もあるでしょう。
そうなってしまえば、さすまたは「ただの長くて邪魔な棒」と化します。
そこまで拘束力もなく、狭い場所では足手まといなさすまたは、意味がないと言えてしまうのが残念です。
さすまたが意味ない理由⑤先端を掴まれたら腕力負けする可能性がある
さすまたが真価を発揮するのは「壁がある場所で複数人で拘束する」ときです。
もし、さすまたを使っている人が高齢の女性で侵入者が腕力ある男性であれば、さすまたの先端を持たれてしまえば相手の腕力によって、いとも簡単にさすまたを奪われる可能性があります。
さすまたの使用にはある程度の訓練も必要ですし、使用するための条件が厳しいこともあり意味がないと言えてしまいます。
さすまたが意味ない理由⑥拘束して救援が到着するまではトイレに行けない
さすまたで侵入者を複数人で拘束できたと仮定します。
警察庁の「令和元年版 警察白書」によると、平成30年度(2018年)の110番通報後の現場到着時間は平均7分25秒でした。
もし7分という拘束時間中に以下の症状が出たらどうしますか?
・直近で飲んだコーヒーによる利尿作用で膀胱が爆発寸前
・前日のニンニクの食べすぎで強烈な便意
・何かの食あたりによる唐突な便意
上記のことがあれば、それは人生でもっとも長く感じる7分間になるでしょう。
しかも、拘束しているので普段よりも力を入れています。
拘束するために上半身と下半身に力を入れながら、尿意や便意を抑えるために「とある部分に力を入れて我慢」するという一生に1回も使わないような力を使います。
また、警察が到着してもそこからトイレへ行くのが大変です。
このように、通報してからも大変という観点から見ても、さすまたは無意味であると言えます。