意味ない「ノー残業デー」を導入してしまう企業が大量発生する理由とは?

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無理やりノー残業デーにする意味はあるのでしょうか? あくまで企業や労働者の考えに任せばいいような気もしますが。

知恵袋

 

Yahoo知恵袋に上記のような書き込みがありました。

 

「ノー残業デー」というのは「残業をせずに定時退社すること」を推奨する企業の取り組みのことです。

 

1990年代から2000年代の日本では、長時間労働や過労死といった問題が深刻化したため、

 

働き方を見直すための方法として生まれた取り組みが「ノー残業デー」でした。

 

企業によって細かいルールは異なりますが、週に1日「ノー残業デー」を決めて、その日は従業員に定時退社を促すことが一般的です(週の真ん中である水曜日に設定する会社が多いです)。

 

この「ノー残業デー」ですが、巷では「やっても意味ない」「今日はノー残業デーだけど帰りづらい」といった意見が多く、形骸化してしまっている企業も多いようです。

 

実際のところ、「ノー残業デー」は意味がないのでしょうか?

 

調べてみました。

 

 

調査結果です。

 

「ノー残業デー」は意味がありません。

 

以下、解説していきます。

 

目次

ノー残業デーが「意味ない」「無意味」とされる理由とは

① 他の曜日の残業が増えるだけ

 

ノー残業デーを導入しても「意味がない」と言われてしまう最も大きな理由は、

 

他の曜日の残業が増えるだけ」という点にあります。

 

というのは、いくらノー残業デーを導入したとしても仕事の全体量は変わっていないケースがほとんどだからです。

 

その場合、たとえ1日だけ無理やり定時退社したとしても、その日に本来終えるべき仕事は終わっていないので、

 

結局翌日に残業して昨日の分の作業をする可能性が高くなります。

 

また、仕事が終わっていない中途半端な状態で退社することになるので、帰宅してからも仕事のことが気になってしまい精神衛生上もよくありません。

 

仕事のことが気になり寝られず、結局ノー残業デーにもかかわらず自宅で残業してしまった、という話もよく聞きます。

 

この理由一つ取っても、「ノー残業デー」が意味ない、ということがわかりますね。

 

② 上司が残業しているので帰りづらい

 

次によく聞かれる「ノー残業デーが無意味な理由」は、「上司が退社する前に帰りづらい」です。

 

「ノー残業デー」を導入する企業は、基本的にあまり深く考えずに勢いで導入してしまうケースが多いです。

 

まともな企業であれば、まず最初に管理職の業務を減らしたり、上司が率先して退社するよう意識付けをする等して、

 

ノー残業デーが機能する状態を作ってから導入するでしょう。

 

しかし、勢いで物事を決めてしまうタイプの企業ではその準備をしないままノー残業デーを導入してしまうため、

 

上司はいつも通り遅くまで残業をしてしまいがち。

 

その周りでは部下たちが早く帰りたそうにソワソワしていますが、上司は部下の気持ちに気付かず、誰も早く帰れない、というパターンもよく聞きます。

 

その結果、せっかくノー残業デーを導入したのに形骸化し、無意味になってしまった、という企業もあります。

 

③ 定時退社してもやることがない

 

若手社員の間で増えてきた意見としてよく挙げられるのが、

 

ノー残業デーで定時退社してもやることがないので、残業した方がいい」という意見です。

 

かつてのバブル期のように若い人が遊び歩いていた時代とは異なり、最近はあまり遊びたがらない若者が増えてきました。

 

そのような人は、「残業すればその分給料がもらえるし、遊ぶより働いている方がまし」と思っているフシがあります。

 

そのため、ノー残業デーにも関わらずみんな夜遅くまでダラダラ仕事してしまう、というパターンもあります。

 

ノー残業デーは意味がない。やらない方がまし

 

以上より、ノー残業デーを導入してもほとんど意味がないことがわかりました。

 

むしろノー残業デーを導入することで余計に従業員の負担が増え、ストレスが溜まって職場の雰囲気が悪くなってしまうことさえあります。

 

皆さんは「プレミアムフライデー」という言葉を覚えているでしょうか。

 

これは月末の金曜日に早めに退社することを促すキャンペーンなのですが、現在プレミアムフライデーを導入している企業はほとんどありません。

 

これもノー残業デーと同様に、「仕事が減っていないのに早く帰れと言われても困る」という社員の意見を無視して導入した結果、全く定着せずに終わってしまった一例です。

 

「ノー残業デー」や「プレミアムフライデー」のような施策は、いくら国や企業が早帰りを促しても無意味に終わることが多いです。

 

にも関わらず多くの企業が導入してしまうのは、大して労力をかけなくても「社員を大事にしている感」を出すことができるから。

 

冷静に考えれば、最初から残業がない会社はわざわざノー残業デーなんか導入しません

 

ノー残業デーを導入しているということは、逆に考えれば残業が横行していることを証明してしまっているわけで、そういった意味でも導入は逆効果といえるでしょう。

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