Yahoo知恵袋に以下のような質問がありました。
一塁へのヘッドスライディングって意味ありますか?ベース到達早くなりますか?危ないだけのような気がするのですが。 陸上100メートル走の選手はゴールするときだれもヘッドスライディングしません。
高校野球やプロ野球を見ていると、内野ゴロなどでバッターが一塁に走る際、ヘッドスライディングをする場面を見ることがあります。
ヘッドスライディングとは、走者が手を伸ばして頭から塁に滑り込むプレーのことですが、
ヘッドスライディングって本当に意味があるのでしょうか?
わざわざ手を伸ばすより、足でそのままベースを駆け抜ける方が早いような気もしますよね。
実際のところ、ヘッドスライディングが無意味なのかどうか、調査してみました。
結論を言います。
ヘッドスライディングは意味がありません。(一部の条件を除く)
細かく見ていきましょう。
ヘッドスライディングが意味ない理由とは?
1塁以外への走塁であれば、ヘッドスライディングの意味はある
野球のルール上、1塁を除いた塁(2塁・3塁・ホームベース)では、
内野手がボールを持った状態でベースを踏んでいない走者にタッチすればアウトになります。
そのため、走者はタッチされる前に何とかベースを踏んでいればセーフになります。
ヘッドスライディングをすることによってボールを持った内野手からタッチされるのを少しでも遅らせることができるため、
セーフになる確率を上げることができます。
つまり、1塁以外の塁であれば、ヘッドスライディングをする意味はあると言えるでしょう。
1塁への走塁時はヘッドスライディングの意味はない
一方、1塁は他の塁と異なり、駆け抜けてベースに触れていなくてもタッチアウトになりません。
つまり、ボールより早くベースを踏みさえすればいいんです。
ベースを踏むだけであれば、わざわざヘッドスライディングをして手をベースまで下げるよりも、足でそのまま踏む方が早いですよね。
よって、ヘッドスライディングをする意味がない、といえます。
なぜ野球選手は1塁への走塁時にヘッドスライディングしてしまうのか?
たとえアウトになっても観客が盛り上がるから
例えば高校野球で、負けるのがほぼ確定しているチームの最後のバッターがヘッドスライディングをするシーンがたまにあります。
このようなシーンを見ると「最後まであきらめないプレー」などと称賛され、見ている観客に感動を与えることができます。
冷静に考えると、ヘッドスライディングをすることによってアウトになる確率が上がっているので、むしろやらない方がいいのですが、
応援している観客を盛り上げるためやむなくヘッドスライディングしている野球選手もいるのではないでしょうか。
審判へのイメージが良くなるから
アウトかセーフか微妙な判定だったとき、選手がヘッドスライディングをしていたら審判はどう思うでしょうか。
ヘッドスライディングをしてユニフォームが泥だらけの選手を見て、
何となく審判も選手の熱意にほだされて思わず「セーフ!」と言ってしまいそうな気もしますよね。
実際に過去の野球選手の中には、微妙な判定になりそうなとき、審判の目を引くためにヘッドスライディングをした選手もいたそうです。
これらの点から、野球は観客や審判の感情を優先してしまう非論理的なスポーツと言えるのかもしれません。
ヘッドスライディングは無意味どころかデメリットが多い!
打撲や脱臼、突き指といった怪我をする確率が高い
ヘッドスライディングをすると腕を前に伸ばしたまま地面に体を打ち付けるので、特に上半身の怪我をする確率が高まります。
また、ベースに手を伸ばした時に突き指をするケースも多く、
最近の高校野球ではヘッドスライディングを禁止するチームも出ています。
一塁手にスパイクで腕または手の甲を踏まれる可能性がある
ヘッドスライディングは、当然ながらベースを手で踏むことになるので、
ベースを守っている一塁手の足で踏まれる可能性も高まります。
スパイクで手を踏まれれば大ケガにつながるリスクもあるため、
上記と同様、ヘッドスライディングを禁止する学校も増えてきました。
環境に悪い
ヘッドスライディングをするとどうなりますか?
そう、ユニフォームが汚れます。
お子さんのいるご家庭であればわかるかと思いますが、泥汚れはなかなか落ちにくいものです。
洗剤を多めに使っても汚れが残ることがありますし、汚れたからといってユニフォームを買い替えるのもお金がかかります。
何より洗剤をたくさん使うのは環境に悪いですよね。
ただでさえSDGsが叫ばれている昨今、洗剤を使いまくって環境に負荷をかけるのは時代遅れと言われても仕方ありません。
いずれヘッドスライディングは全面的に禁止され、
「意味ある」「意味がない」という論争すら過去の話になる時代が来るのかもしれませんね。