0歳からの英語教育は意味ない!巷にはびこる0歳英語教育開始論を完全論破します

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Yahoo知恵袋に下記のような質問がありました。

 

0歳の母です。25万円の英語教材があるのですが、0歳から使っても必ず効果があるのでしょうか?使用するかどうか悩んでいます。

知恵袋

  

日本人の英語学習はできるだけ早いうちに始める方がよい、という話をよく聞きます。

 

その「早いうちに」というのは、具体的に何歳からなのでしょうか。

 

巷には乳幼児用の英語教材があふれ、中には「0歳児」向けの教材も販売されています。

 

0歳児なんてまだ言葉もほとんど話すことができませんし、英語学習にお金をかけるだけ無駄なのではないか、という意見も多数見られます

 

0歳から英語を学ぶことが本当に意味あるのか、調査してみました。

 

結論を言います。

 

0歳からの英語学習に意味はありません。

 

解説していきます。

目次

「0歳からの英語学習」が推奨される理由が間違っている!

インターネット上には「英語教育は子どもが小さいうちに始めるべき!」みたいな論調の記事があふれています。

 

しかし、その記事が載っているサイトはその大半が英語学習教室か英語通信教材の販売サイトで、

 

中立的な立場で書かれているとはとても思えません。

 

ここでは、よくある「0歳からの英語教育」が推奨される理由について、論破していきます。

 

①: 英語学習は「3歳から始めれば十分間に合う」とワシントン大学の研究で証明されているから

0歳からの英語教育を勧める大きな理由の一つが、早めに英語に触れることによって英語の音が聞き取りやすくなる、という意見です。

 

この意見の根拠となっている一つの論文があります。

 

それはワシントン大学の脳科学研究者Patricia Kuhl氏が書いた論文で、その中にこのような記載があります。

 

L」「R」の発音を聞き分ける力は生後8か月ごろに獲得され、10ヶ月を過ぎると減少し始める

 

参照:パトリシア・クール(Patricia K. Kuhl)(2011)「Early Language Learning and Literacy: Neuroscience Implications for Education」、『Mind, Brain, and Education Volume 5, Issue 3』

 

日本人が英語で会話するときに苦手とするのが「L」と「R」の聞き分けです。

 

この論文によると、「L」と「R」を聞き分ける能力は生後8か月あたりで習得し、8カ月を過ぎると減少し始めるというものですが、聞き分ける能力がすぐにゼロになるわけではありません

 

また、同じ論文には下記のような記載もあります。

 

「ネイティブスピーカー」と「37歳で英語学習を開始した人」では、将来の言語力にほとんど差が出なかった

参照:パトリシア・クール(Patricia K. Kuhl)(2011)「Early Language Learning and Literacy: Neuroscience Implications for Education」、『Mind, Brain, and Education Volume 5, Issue 3』

 

つまり、日本人は3歳~7歳で英語学習を開始すれば、ネイティブの人とほとんど同じくらい喋れるようになる、という研究結果です。

 

無理に0歳から始める必要はありませんよね。

 

にもかかわらず、0歳からの英語教育を推進する人たちは、意図的に後半の研究結果を無視し、前半部分だけを根拠にしているのです

 

こういった暴論に惑わされる必要はありません。

 

②: アンパンマンと同じく興味を失うのが早くなる可能性があるから

0歳からの英語教育を勧める理由2つめは、「早いうちに英語学習を始めることによって、英語に興味や関心を持つことができる」という意見です。

 

ここで皆さんに思い出して欲しいのが、アンパンマン

 

巷には乳幼児向けのアンパンマングッズがあふれています。

 

アンパンマンを知らないまま子供を育てるのはほぼ不可能と言われているくらいです。

 

子供が大好きアンパンマンというイメージですが、あまりにも早いうちからアンパンマングッズに触れさせると、その分飽きるのも早いケースがあります。

 

英語も同様に、あまりにも早く英語に触れさせることによって、逆に英語への関心が薄れる可能性があるのではないでしょうか。

 

また、仮に「早いうちに英語学習を開始するメリット」があったとしても、0歳から開始する理由にはなりません。

 

別に1歳や2歳から始めても、学習方法を工夫すればいくらでも興味や関心を持たせることはできますよね

 

③: 0歳から始めなくても学習時間は確保できるから

一般的に、実用的な英語力を身に付けるためには3,000時間から5,000時間の集中的な学習が必要とされており、

 

この研究結果は論文としても発表されています。

 

0歳英語教育推進派の人たちは、この研究を引用して「0歳から英語教育を始めるべき!」と言っているのですが、

 

これも0歳から始める理由にはなりません。

 

例えば3歳から学習を始めても集中的に勉強すればいくらでも追い付くことができるからです

 

④: わざわざ英語を学ばなくても、異文化を学ぶことはできるから

 幼いころからできるだけ異国の文化や人と触れ合う機会を作ることによって、異文化へ適応できる素地を身に付けることができる。

 

だから0歳から英語学習を始めるべき!という人がいます。

 

でも、ちょっと待ってください。

 

異文化を学んだり経験するのであれば、わざわざ英語を学ぶ必要はないですよね?

 

別に海外旅行に行ってもいいですし、国内にいても外国人と触れ合う機会はいくらでも作ることができます。

 

仮に幼少期から英語に触れることによって異文化への適応力を高められるという考えが正しいとしても、

 

0歳から英語教育を始めないといけない理由にはなりません。

 

これらの他にも、0歳英語教育の推進論者は様々な理由を付けて0歳からの英語教育を始めさせようとしてきますが、

 

全て「0歳からじゃなくてもいいですよね?」で論破できます。 

早期英語教育はデメリットが多いことも知っておこう!

 

あまり早く英語教育を始めると、日本語も英語も理解力が低くなる「ダブルリミテッド」という状態になってしまうことがあります。

 

日本語の思考能力が十分に伸びないまま大人になってしまう可能性もあり、もし将来的に日本で生活するとなった場合に苦労するかもしれません。

 

また、乳幼児向けの英語教材はとても高額です。

 

中には100万円を超えるようなものもあり、とても一般家庭が手を出せる金額ではありません。

 

前述したとおり、0歳から英語教育を始めることにほとんど意味がないにもかかわらず、インターネット上には0歳からの英語学習を勧める記事ばかりです。

 

絶対にこれらの記事に騙されることのないように気を付けたいものです。

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