知恵袋に以下のような質問がありました。
バントや盗塁は意味のないことだと思いますか?「勝てる野球の統計学」(岩波書店)の本には、そのように載っているそうです。しかし、バントや盗塁をするチームが少なくないですが。 本当に無意味であれば、バントや盗塁が消滅していると思いますが。
野球で使われるバントとは、「ピッチャーが投げたボールに対してバットを振らずにバットにボールを当てて転がす打撃方法」のことです。
バントの歴史は古く、始まりは1860年代とも言われています。
そんな歴史あるバントですが、近年では「バントは意味がないのでは?」といった意見が数多くあります。
本当にバントが意味がない打撃方法なのかを調査しました。
回答します。
バントは意味がありません。
それでは、バントが無意味である理由を詳しく解説します。
バントが意味ない理由①失敗する可能性が高い
バントの成功確率ですが、思いの外低いことが分かりました。
筑波大学体育系准教授の筑波大学硬式野球部監督によると高校野球とプロ野球でのバントの成功確率は以下のような違いがあることが分かりました。
・高校野球でのバント成功確率は45%前後
・プロ野球でのバント成功確率は70〜80%
一般的な打率が3割弱と言われているので、打率としては「高い」と言えるかもしれません。
しかし、2〜3割の確率でバントをすることで相手にアウトを献上していることになります。
とくに高校野球ではバントの成功確率がプロと比べて低いのでバントとほとんど変わらないなら、通常のバッティングをした方が出塁できる上に得点に貢献できる可能性が高いと思われます。
このことからバントは無意味であると言わざるを得ません。
バントが意味ない理由②打率が低い選手と思われる
バントを多用しての成功確率が他の選手よりも段違いに高ければ良いのですが、バントの失敗が多ければ打者の実力不足と判断されやすいです。
とくに「安打数が高い選手や強打者」がバントを多用すると「この選手は不調で打率がかなり低いのかな?」と判断されそうです。
その結果、チームの評価を下げてしまい、ファンからもブーイングの原因になりかねないです。
さらに、自分も「ブランディングとして悪い」ですよね。
強打者や打率の高い選手が、極稀にバントをすることは効果が高いと思われます。
しかしながら、そのような選手がバントを多様してしまえば、それはもう強打者とは言えないので意味がないですよね。
バントが意味ない理由③交通事故に遭遇するよりも骨折のリスクが高い
高校野球からは軟式から硬式となります。
軟式はゴムボールですが、硬式は革のボールとなり、とてつもなく硬いです。
そのような硬いボールに対してバントの持ち方は当たりどころが悪ければ骨折するでしょう。
参考までにですが、厚生労働省で発表された「平成29年版スポーツ白書」による野球人口全体の外傷率は以下のようです。
野球選手1000人あたりでの外傷率
・男子高校生:18.3人
・男子大学生:15.2人
・社会人 :13.5人
1000人あたりでの計算なのと、外傷率なので骨折以外も含まれますし、バント以外も含んでの数字です。
それでも1.3%〜1.8%の確率で何かしらの重大な外傷を負うようです。
交通事故に遭う確率と比較すると、国土交通省の「平成30年度道路交通センサス」によれば、2018年度における全国の交通事故発生件数は193,386件でした。
2018年の日本人口は約1億2600万人であり、この数字から算出すると、全国民一人当たりの交通事故発生率は0.15%程度となります。
野球の外傷確率は1.8%に比べて、交通事故に遭う確率は0.15%です。
このことから野球は交通事故の12倍以上の確率でケガをしやすいことが分かります。
そのなかでも、バントは100km以上の急速の硬式ボールをあのような構えで受けているので、万が一当たりどころが悪かったらと思うで恐ろしいですね。
このことから、わざわざ骨折の確率を上げるバントは危険極まりない行為なので無意味であると言えます。
バントが意味ない理由④野球の素人が試合を見ると盛り上がりに欠ける
バントで試合が盛り上がることはほとんどないでしょう。
バントをきっかけにして三塁走者がホームインして逆転勝ちすれば盛り上がるかと思いますが、注目されるのはホームインした選手であってバントに成功した選手ではありません。
バントは出塁したり得点に貢献するために必要な手段かもしれませんが、野球の素人目線から見ると盛り上がりに欠けるようです。
サッカーで例えるならパスばかりしてシュートを打とうとしない選手と同じですね。
このことから、直接得点に貢献しにくいバントは意味がないと言わざるを得ません。